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遺産分割協議

法定相続人を調べ、遺産となる財産の目録を作成し、遺産分割協議を行います(遺産分割協議書作成)。なお、遺言書がある場合は、手続きは異なります。

共同相続人は、被相続人が遺言で禁じた場合を除いて、いつでも協議により、遺産の分割をすることができるとされています。なお、遺産の分割は、遺産に属する物または権利の種類および性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態および生活の状況その他一切の事情を考慮して行われなければなりません。

また、遺産の分割について、共同相続人の間で協議が調わない場合、又は協議をすることができない場合は、各共同相続人は、その分割を家庭裁判所へ請求することができます。

※被相続人は、遺言において、遺産の分割の方法を定め、もしくは定めることを第三者に委託し、または相続開始時から5年を超えない期間を定めて、遺産の分割を禁止することができます。

※遺産の分割は、相続開始時にさかのぼってその効力が生じます。ただし、第三者の権利を害することができません。

法定相続分

・配偶者と子が相続人の場合
 配偶者が2分の1、残りの2分の1を子の数で均等に分けます。
・配偶者と直系尊属が相続人の場合
 配偶者が3分の2、残りの3分の1を直系尊属の数で均等に分けます。

・配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合
 配偶者が4分の3、残りの4分の1を兄弟姉妹の数で均等に分けます。ただし、半血兄弟の相続分については、全血兄弟の2分の1となります。

・配偶者のみが相続人の場合
 配偶者が全部を相続することになります。

・血族相続人のみ(子のみ・直系尊属のみ・兄弟姉妹のみ)が相続人の場合
 子のみの場合、全部を子の数で均等に分けます。直系尊属のみ、兄弟姉妹のみの場合も、全部をその数で均等に分けます。

法定相続人

法定相続人は、配偶者相続人と血族相続人からなります。配偶者は常に相続人となり、血族相続人がいればその者と共同で、血族相続人がいない場合は配偶者が単独で相続人となります。

血族相続人については、以下の通りです(順位が定められています)。

・第1順位 子
 子がすでに死亡している場合は、その者の子(被相続人にとって孫)が代襲相続人となります。

・第2順位 直系尊属
 第一に父母、父母がいない場合祖父母、祖父母もいない場合は曾祖父母が相当します。

・第3順位 兄弟姉妹
 兄弟姉妹で死亡している者がいる場合は、その者の子(被相続人にとって甥・姪)が代襲相続人となります。

※血族相続人は、先順位の相続人がひとりもいない場合、あるいは全員が相続放棄をした場合に、次の順位の者が相続権を得ることになります。

※代襲相続できるのは、直系卑属および兄弟姉妹のみです。直系卑属については何代でも代襲することができますが、兄弟姉妹については、代襲は一代限りです。

遺産分割

不可分債務については、各共同相続人それぞれがその全部の義務を承継しますが、金銭債務その他の可分債務については、各相続人が法定相続分に応じて分割承継すると考えられており、この可分債務の分担割合を変更するにあたっては、債権者の承諾を要します。なお、遺産分割協議書において、相続債務の負担割合を変更する合意については、債権者の承諾がない限り、相続人相互間を拘束するにすぎません。


遺産分割協議は、全員の合意によってのみ成立するものであり、各相続人の利益が相互に対立する関係にあるがゆえ、ある相続人が他の相続人を代理することはできません。例えば、配偶者である父または母は、子を代理することはできず、この場合、子のために特別代理人を選任しなければなりません。

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遺産預貯金、一定範囲の額の引出し可

2019年7月より、被相続人の預貯金について、遺産分割前でも一定の範囲内の額(被相続人の口座残高の3分の1の範囲における相続人自身の法定相続分)につき、払戻を受けることができるようになります。なお、同一金融機関での上限は1人150万円ですが、複数の金融機関に口座がある場合は、個別に計算します。(2019.6.16